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ゆらゆらとたゆたう

偽島のあれやこれをそれとかするブログです

   2024

0428
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   2010

0217
文章コミュイベントのために余計な文を外したんだよ!チキレ敗北じゃないよ!

とかいう言い訳は置いておいて、ディレクターズカット版と言う名のチキレ敗北版日記です。

っていうか、敬称忘れてた\(^o^)/
そして、今見たら14日分のノワールさんの敬称も忘れてた/^o^\

もう、SAKUJYOしてお詫びするしかないですね!

ブログSAKUJYOでご勘弁を
【追加修正】
一人称間違えるとか初歩的なミスにもほどがあるorz





「あなたは一体何者ですか?」

そう問いかけるとぬめぬめとした鱗が怪しい光を放つ。
見た目は蛇と呼ばれる生物に類似しているが、目の前のそれは明らかに異質な存在だった。

「そうさな、神と呼び崇めるものも居るが……その前に、こちらの問いに答えて貰おう」

にたり、と笑う。そう錯覚してしまいそうな口の動き。
あまりの醜悪さに、一瞬目を逸らしてしまう。
次に捉えた時、目の前に居たのは蛇などではなかった。
それは、私だった。

「さて、それではこちらからの質問です」

先ほどからうってかわって、口調が丁寧になる。
それは、まるで私のような……。

「あなたは何者ですか?」
「……人間です」
「それでは、答えになっていませんね。 『あなた』は何者かと聞いているんです。 それは、『あなた達』を示す言葉でしょう?」

ガラス越し、こちらを見つめる瞳。全てを覗かれているような感覚。

「もう一度聞きます。 あなたは何者ですか?」
「私は……シャノン=ソシュールです」
「ダメですね」

絞り出すようにして漏れた答え。
それも一言で切り捨てられる。

「それはただの名、でしょう? それでは、あなたの何も分からない」

そして、一拍置いて笑顔で一言。

「それに、シャノン=ソシュールは私です」

遠ざかっていく、声、姿。
走っても走っても追いつけない。
あんなにゆっくりとした歩みなのに。
どんなに息を切らせても追いつけない。
待って!

その日、私は私を見失った。

■ 由良木ゆら 観察日記 16日目 ~おしらがっ! 偽島書道部~

紙の上を走る筆の音、匂うは墨の香り。
暗い世界に飛び込んできたのは、その二つの感覚。
ゆっくりと目を開く。どうやらうたた寝をしてしまったようだ。
頬に触れれば冷たい感触。
何やら懐かしい夢を見てしまったような気がする。
それは、彼の姿のせいだろうか。
目をこすり、眼鏡を掛ければ、ぼやけた視界がはっきりと世界を認識する。
一人の蛇が筆を口に咥えて、紙と格闘していた。
身体は黒い砂のような物が集まって構成されているが、その象りは蛇と呼んでも差し支えは無いだろう(注.1)
その『砂が集まってできた蛇』は神様なのだそうだ。
どうも私は蛇の形をした何かに縁があるようだ。
そして、紙の前に正座する彼女の傍には少女が一人。
着ている物は、あの島国で着用されているものに近いかもしれない。
その瞳には、光が無く、生気が感じられなかった。
『生気の無い少女』は彼女に、字の指導をしていた。
というのも、彼女は字がとても下手なのだ(注.2)

「おお、起きよったか!」

こちらが目を覚ましたことに気づいたようだ。
どうやら、流した涙については気づかれなかったようで、一安心。
小さく息を吐くと、口に咥えられた筆がこちらへ差し出される。
私も何か書くように勧められているらしい。

「何かえれー(注.3)ようやけ、そっとしときシラガさん。 シラガさんに絡まれんは、えらいしな」
「何じゃと! わいに愛の言葉を囁れたら疲れなんぞ吹っ飛ぶぞ! しかも、耳元で!」
「いいから、黙っとれ」

『生気の無い少女』はどうやらこちらの事を気遣ってくれているようだ。
大丈夫です、と一言返して、筆を受け取る。
白い紙。
向かい合って、暫く時間が過ぎていく。
何を書いたら良いのだろう。

「んー。 好きな言葉とかどうじゃろ?」

好きな言葉。こうしてみるとぱっと思いつきはしない。
彼女の横に置いてある紙を覗き込んでみる。
良く分からない言葉が書かれていた(注.4)

「そういうときは、自分の内から溢れよる熱い情熱! 心の叫び! パッション! を紙に叩き付けよるんじゃ!」
「そんで、シラガさんは何書きよったん」

『砂が集まってできた蛇』が地面をずりずりと這って、先ほどまで格闘していた紙へと向かう。
そして、紙を口に咥え、地面をずりずりと這って、戻ってくる。

「どうじゃ! 見事じゃろ!」

そんな声と共に広げられた半紙には、【ギブミーチョコレート!!】と達筆なのか下手なのか、蛇がのたうったかのような字で書かれていた(注.5)

「戦後の子供みてえな叫びじゃな」
「バレンタインが近いしな!」

そして、話は巷で噂のバレンタインとやらへと流れていく。
まあ、残念なことに我々には相思相愛ラブラブな相手も居なければ、甘酸っぱい片思いなんていうのも存在しない(注.6)
あまり関係のないイベントのようだ。

「おえん! おえんぞ! 全てのおなごは須らくチョコ配るべし、と偉い人もいいよる」
「その、偉い人って誰なん?」
「もちろん、わいじゃ!」
「もう、おめぇ黙っとれ! まあ、義理チョコいいよるんもあるし、最近は友チョコなんかも配っとるらしいよ」

成る程成る程、想い人に送るだけのものでは無いようだ。
まあ、当日になったら彼女が何かしら動くだろう。
イベント事は嫌いではないようだし。


結局、紙には自分の名前を書くことにした。



注.1
本人も蛇と言っていたし。

注.2
何か、ケイタイがとか、パソコン?がとか言い訳していた。

注.3
疲れてる、とかそんな感じ?

注.4
『ベルリン忠臣蔵』とか『アタック・オブ・ザ・キラートマト』とか。

注.5
きっと、蛇がのたうって書いたのだろう。

注.6
多分。

※今回の日記は
ENo.145 秋久 豊 さん
にご出演頂きました。ありがとう御座います!

また、文章コミュイベント【シークレット・キーワード】に参加しております。

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