ゆらゆらとたゆたう
偽島のあれやこれをそれとかするブログです
2010
日記完成したので言い訳は爆破だ!
■ 由良木ゆら 観察日記 20日目 ~女王様の仕立て屋~
■ 由良木ゆら 観察日記 20日目 ~女王様の仕立て屋~
「御注文ノ品デス……御希望ニ添エテイルト良イノデスガ」
それは紳士服を身に纏った大きなカボチャだった。
正確に言えば、人の顔にあたる部分に、目の形、口の形、と三カ所くり抜かれたカボチャが乗っている。
目の穴の奥には黄色い光りが灯り、彼女を見下ろしている。
差し出された手には、その巨体に似合わぬ赤いスカート。
「折角だし、早速着てみたらいかが? カボたんはどうせロボだから見られても大丈夫よ? まあ、でも気になるわよね。 そうね、後ろを向かせましょう、そうしましょう」
『紳士服のカボチャ』の傍らに立つ色鮮やかなドレスと装飾に身を包んだ女性がそんな提案をしてくる。
さすがに『紳士服のカボチャ』とは比べるべくもないが、背は高め(注.1)
その言葉に従い、『紳士服のカボチャ』は【カボターン】という声と共に後ろを向く。
「さて、もう大丈夫よ。 私? 私の事は気にしなくて良いわよ? そっちの気はないし、見ようにも目が見えないもの。 そう、ちょっと匂いを嗅ぐくらいよ」
周辺には我々しかいないようだし、確かにここで着替えても問題はなさそうだ。
ちょっと、最後の言葉が気になったが。
ゆっくりとした動きで、彼女が自らのスカートへ手をかける。
と、その瞬間周囲が謎の煙幕に包まれる。
「この匂いは……ついに規制の波がこの島まで!?(注.2)」
煙が晴れる頃にはもう、彼女は着替えを終えており、『紳士服のカボチャ』へ向かって親指を立てていた。
「見事な防御力でした」
「オ褒メニ預リ恐悦至極」
彼女の言葉へ、『紳士服のカボチャ』は深々と会釈を返す。
彼女の動きと共に赤く翻るスカート。
しかに、どんなに激しく動こうともその奥を覗かせる事はない。
以前のスカートもそうだったが、いったいどんな仕組みなのだろうか(注.3)
「オヤ、御嬢サン落トシマシタヨ」
巨体が拾い上げたのは四つ折りの紙切れ。
その手から紙を奪い取り、『色鮮やかな盲目の女性』は顔を近づける(注.4)
「これは闘技大会の案内ね」
「ダンスパーティノオ知ラセノヨウデスネェ」
自慢げな『色鮮やかな盲目の女性』に浴びせられる冷静で硬質な言葉。
どうやら、舞踏会と武闘会を間違えたようだ(注.5)
「……ダンスパーティならドレスが必要よね。 貴女達、ドレスは持っているのかしら」
小さく首を横に振る彼女。
彼女がチラシを拾ってきたのが昨日、そしてパーティの開催日は明日。
衣装の用意が間に合うまい、と諦めていたところだった。
「あらあら、あらあら。 それじゃ、私達はシンデレラに出てくる魔法使いのようね!」
「ソウデスネェ、ドチラカトイウト意地悪ナ姉ノ方ガ似合ッテイル気ガシナクモナイデスガ」
「やだもう、カボたんたら。 首引きちぎって馬車に改造するぞこの南瓜野郎とか、思っちゃったじゃない」
イイ笑顔で何か凄いこと言った!
「カボたんなら二時間でドレスを用意してくれるわ!」
「タダシ、特急料金ヲ頂クコトニナリマスガ」
「特急料金……ですか?」
「エエ、大体コノクライデ……(注.6)」
「こんなに……(注.7)」
彼女がいつもの無表情の中に戸惑いを見せる。
そんなにお高い物だったのだろうか(注.8)
「シンデレラモドレスガ有ッタカラ舞踏会ニ行クコトガデキタノデス。 貴女ニ必要ナノハドレストイウ名ノ、チョットノ勇気デスヨ」
「わかりました……お願いします」
彼女が小さく、しかし力強く頷き、特急料金(注.9)を『紳士服のカボチャ』へ手渡す。
「さて、交渉も成立したところで、早速採寸と洒落込むわよ」
『色鮮やかな盲目の女性』が手を叩くと、
【カボターン】
そんな雄叫びと共に『紳士服のカボチャ』の目から怪光線が射出された。
その光を見て、彼女が地面を転がりつつ距離を取る。どうやら、怪光線に対して警戒しているようだ。
「大丈夫、怪しい光線じゃないわよ? あの変な光で対象の足から乳のサイズまで採寸する機能が付いているらしいの。 とっても怪しい、変態機能よね。 そうね、怪しいから私が直に計ってあげましょうね!」
『色鮮やかな盲目の女性』はニコニコ(注.10)しながら、両手を動かす(注.10)
結局、彼女は怪光線をその身に浴びる事を選択したのだった。
きっかり、二時間後。
それはそれは見事な出来映えであった。
その魔法は、無愛想な少女を可憐な乙女へと変身させたのだ(注.11)
青を基調とし、胸元にリボンと編み上げ。そして、裾と袖にはフリルが付いている。
「不思議の国の不思議ちゃん、って感じね。 シンデレラといい今日はメルヘン尽くしねー」
彼女はといえば、出来映えがよほど嬉しかったのだろうか、くるくると回り続けている(注.12)
「その調子でがっつんがっつん男共を誘惑してらっしゃいな!」
ウィンクと共にこちらへ向けて親指を立てる『色鮮やかな盲目の女性』
そして、彼女もそれに応える。
果たして、彼女が勇気を振り絞って参加するダンスパーティはどのような結末になるのだろうか。
今から、少し、楽しみではある。
注.1
彼女と比較をすれば、20~25cmほどの差はある
注.2
ちょっと何言ってるかわからないですねー
注.3
テッペキスカートという名前らしい
注.4
インクの匂いで何が書いてあるかが分かるそうだ
注.5
あれ? なんかおかしくね?
注.6
10PSです
注.7
大事なことなので二回言いますが、10PSです
注.8
でも、お高いんでしょう?
いえいえ、お値段たったの10PSです!
注.9
しつこいようですが10PSです
注.10
いや、ニゴニゴ
注.11
こう、わきわきとうねうねと
注.12
今度は色とりどりの光が出た
注.13
やはりパンツは見えなかった
※今回の日記は
ENo.40 Leleさん +カボたん
にご出演頂きました。
ありがとう御座います!
それは紳士服を身に纏った大きなカボチャだった。
正確に言えば、人の顔にあたる部分に、目の形、口の形、と三カ所くり抜かれたカボチャが乗っている。
目の穴の奥には黄色い光りが灯り、彼女を見下ろしている。
差し出された手には、その巨体に似合わぬ赤いスカート。
「折角だし、早速着てみたらいかが? カボたんはどうせロボだから見られても大丈夫よ? まあ、でも気になるわよね。 そうね、後ろを向かせましょう、そうしましょう」
『紳士服のカボチャ』の傍らに立つ色鮮やかなドレスと装飾に身を包んだ女性がそんな提案をしてくる。
さすがに『紳士服のカボチャ』とは比べるべくもないが、背は高め(注.1)
その言葉に従い、『紳士服のカボチャ』は【カボターン】という声と共に後ろを向く。
「さて、もう大丈夫よ。 私? 私の事は気にしなくて良いわよ? そっちの気はないし、見ようにも目が見えないもの。 そう、ちょっと匂いを嗅ぐくらいよ」
周辺には我々しかいないようだし、確かにここで着替えても問題はなさそうだ。
ちょっと、最後の言葉が気になったが。
ゆっくりとした動きで、彼女が自らのスカートへ手をかける。
と、その瞬間周囲が謎の煙幕に包まれる。
「この匂いは……ついに規制の波がこの島まで!?(注.2)」
煙が晴れる頃にはもう、彼女は着替えを終えており、『紳士服のカボチャ』へ向かって親指を立てていた。
「見事な防御力でした」
「オ褒メニ預リ恐悦至極」
彼女の言葉へ、『紳士服のカボチャ』は深々と会釈を返す。
彼女の動きと共に赤く翻るスカート。
しかに、どんなに激しく動こうともその奥を覗かせる事はない。
以前のスカートもそうだったが、いったいどんな仕組みなのだろうか(注.3)
「オヤ、御嬢サン落トシマシタヨ」
巨体が拾い上げたのは四つ折りの紙切れ。
その手から紙を奪い取り、『色鮮やかな盲目の女性』は顔を近づける(注.4)
「これは闘技大会の案内ね」
「ダンスパーティノオ知ラセノヨウデスネェ」
自慢げな『色鮮やかな盲目の女性』に浴びせられる冷静で硬質な言葉。
どうやら、舞踏会と武闘会を間違えたようだ(注.5)
「……ダンスパーティならドレスが必要よね。 貴女達、ドレスは持っているのかしら」
小さく首を横に振る彼女。
彼女がチラシを拾ってきたのが昨日、そしてパーティの開催日は明日。
衣装の用意が間に合うまい、と諦めていたところだった。
「あらあら、あらあら。 それじゃ、私達はシンデレラに出てくる魔法使いのようね!」
「ソウデスネェ、ドチラカトイウト意地悪ナ姉ノ方ガ似合ッテイル気ガシナクモナイデスガ」
「やだもう、カボたんたら。 首引きちぎって馬車に改造するぞこの南瓜野郎とか、思っちゃったじゃない」
イイ笑顔で何か凄いこと言った!
「カボたんなら二時間でドレスを用意してくれるわ!」
「タダシ、特急料金ヲ頂クコトニナリマスガ」
「特急料金……ですか?」
「エエ、大体コノクライデ……(注.6)」
「こんなに……(注.7)」
彼女がいつもの無表情の中に戸惑いを見せる。
そんなにお高い物だったのだろうか(注.8)
「シンデレラモドレスガ有ッタカラ舞踏会ニ行クコトガデキタノデス。 貴女ニ必要ナノハドレストイウ名ノ、チョットノ勇気デスヨ」
「わかりました……お願いします」
彼女が小さく、しかし力強く頷き、特急料金(注.9)を『紳士服のカボチャ』へ手渡す。
「さて、交渉も成立したところで、早速採寸と洒落込むわよ」
『色鮮やかな盲目の女性』が手を叩くと、
【カボターン】
そんな雄叫びと共に『紳士服のカボチャ』の目から怪光線が射出された。
その光を見て、彼女が地面を転がりつつ距離を取る。どうやら、怪光線に対して警戒しているようだ。
「大丈夫、怪しい光線じゃないわよ? あの変な光で対象の足から乳のサイズまで採寸する機能が付いているらしいの。 とっても怪しい、変態機能よね。 そうね、怪しいから私が直に計ってあげましょうね!」
『色鮮やかな盲目の女性』はニコニコ(注.10)しながら、両手を動かす(注.10)
結局、彼女は怪光線をその身に浴びる事を選択したのだった。
きっかり、二時間後。
それはそれは見事な出来映えであった。
その魔法は、無愛想な少女を可憐な乙女へと変身させたのだ(注.11)
青を基調とし、胸元にリボンと編み上げ。そして、裾と袖にはフリルが付いている。
「不思議の国の不思議ちゃん、って感じね。 シンデレラといい今日はメルヘン尽くしねー」
彼女はといえば、出来映えがよほど嬉しかったのだろうか、くるくると回り続けている(注.12)
「その調子でがっつんがっつん男共を誘惑してらっしゃいな!」
ウィンクと共にこちらへ向けて親指を立てる『色鮮やかな盲目の女性』
そして、彼女もそれに応える。
果たして、彼女が勇気を振り絞って参加するダンスパーティはどのような結末になるのだろうか。
今から、少し、楽しみではある。
注.1
彼女と比較をすれば、20~25cmほどの差はある
注.2
ちょっと何言ってるかわからないですねー
注.3
テッペキスカートという名前らしい
注.4
インクの匂いで何が書いてあるかが分かるそうだ
注.5
あれ? なんかおかしくね?
注.6
10PSです
注.7
大事なことなので二回言いますが、10PSです
注.8
でも、お高いんでしょう?
いえいえ、お値段たったの10PSです!
注.9
しつこいようですが10PSです
注.10
いや、ニゴニゴ
注.11
こう、わきわきとうねうねと
注.12
今度は色とりどりの光が出た
注.13
やはりパンツは見えなかった
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